めまぐるしく変わる景色の中
僅かな痛みにも安息を求めている
枷負う人が乞う哀れな明日など見たくない
叫んで求めて
蹲る獣の目は昏く紅く
手を伸ばし觸れた指絡みつく
糸はぷつり、と切れて墮ちた─
伸びた影の先に散らばるのは
昨日まで過ごしていた日常の欠片だけ
導かれると信じた先に待ち受けるものが
軆を失くして
とり殘された擬翼の偶像
孤獨が蝕む涙さえ
やがて飲み幹してしまう
叫んで駆け出した
醜く模った翼を捨て去り
鼓動が早まる
包まれた業火の色
ただ紅く紅く
朽ちる擬翼の偶像
手を伸ばし觸れた指
摑んで決して離しはしないからずっと
ずっと…
擬翼の偶像 - 霜月はるか
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