その行方を知らずとも、ただ、好きなように流れればいいと。
その、自由な在り方に、わたしは憧れたのだろう。
「ねぇ、鏡を見てみたら、どんな顔が寫っているか。最後に確かめたのはいつなの?」
「ねぇ、いつもそんな馬鹿丁寧な喋り方をしていてさー、疲れちゃったりとかしたりしないの?」
「器用な様で、本當は不器用なのかもね?あんた。」
なんて、
急く日々には、時に疎き瑣末事がわが身を掠めて、
さすがの私も足を止めてしまいたくなるけど。
そういうときには、そう。
空にこの身を任せ。
——“自由(かぜ)”になる。
——“無心(かぜ)”になる。
飛ぶことに。飽くるまでは。無敵で居られる筈と。
——“最速(かぜ)”になる。
呻る風切音をして、
自由への賛歌を歌うのだ。
「ねぇ、人の領域に土足でさー、踏み入るような取材(やりかた)で、ついでに自分もすり減らすのが趣味なの?」
「ねぇ。いつもそうやって嫌われてしまいそうなことをやって、いつか大怪我しちゃったりしないの?」
「要領良さそうで、案外苦労人なのかもね?あんた。」
などと、
記事にもならぬ“所感(おもうところ)”をやたらめったらぶつけられては
さすがの私も足を止めてしまいたくなるけど。
そういうときには、そう。
大地に別れを告げ。
——“自由(かぜ)”になる。
——“空白(かぜ)”になる。
ちっぽけで、でも偉大な無限の彼方の一欠片。
——“幻想(かぜ)”になる。
呻る風切音をして、
自由への賛歌を歌うのだ。
その行方を知らずとも、ただ、好きなように流れればいいと。
その、自由な在り方に、私は憧れたのだから。
だから、わたしは。
——“自由(かぜ)”になる。
自縛しそうなコンフリクト、その全てを打ち遣って。
——“私(かぜ)”になる。
呻る風切音をして、
自由への賛歌を歌うのだ。
自由への賛歌を歌うのだ。
自由への賛歌 - いお
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