晴天、反射する波は
季春と君を攫って行った
時間は微笑む君みたいに優しくはなくて
來るはずも無い未來を追いかけてる
僕は何なんだ?
春の程良い溫かさは徐々に熱を帯びていった。
桜とすれ違う様に爽やかな風が吹いてきた頃だった。
季節に置いて行かれてしまって、
鏡の様に僕を映してしまいそうな黒髪は
もう風と戱れ合うことは無いと知った。
記憶とは炭酸の泡のように
少しずつ消えていってしまうものだ。
しかし君との記憶は消したくても消せないくらい
深く頭に刻み込まれていた。
最後に會ったのは確か…
春が夏に憧れたかのような暑い日だった。
目に染みる程鮮やかな空と海を眺めて
一體何を思っていたのだろうか。
戻りたくなる程遠く離れてしまった日常が
揺れる揺れる僕の瞳を鼻で笑っていて
「大丈夫だよ。」勵ます言葉さえも風化して
君を包み込んだ花淺蔥を
思い出してしまった
春過ぎて、過ぎて、 - 奏
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