雲の切れ間から
街を見下ろせば
あの頃のような光が
街は忘れない
誰もいなくなっても
何も変わらずに
明かりを燈した
止まった時の中で
死んだことに気づかず
彷徨う亡霊たちが
そこにいるように
誰かが殘した軌跡
過ごした街の気配を
詩に紡いで
無數の追憶とともに
刻み込む
刻み込む
その名前に安息を
塔の守人は
果てを見屆ける
宿した知性に
虛無を抱いて
止まない灰の中で
取り殘されたままに
記録を殘そうとして
墓碑銘を刻む
過ぎ去る月日にいつか
沈んでゆく燈を前に
何もできずに
遙かに見渡す景色は
どこまでも
どこまでも
靜謐な銀世界
すべてが埋もれた先に
終わりが訪れるとき
最後の名前を刻む
その知性に
その使命に
安らぎがあるようにと
燈臺守に安息を - 大嶋啟之
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